生き方の医学(2)

人生100年といわれる時代において、これまでの価値観をもとに100年間生きることができるのか?。

65歳で退職をして100歳まで生きるとしたら残りの35年という時間はあまりにも長いもので、暮らしのことが心配になってしまいます。

健康寿命というものがありますが、病気の状態で日常を送るのと、病気がない状態で日常を送るのでは心身における負担は異なると思うのです。

ではどうしたら良いのか。

『素問』巻頭の「上古天真論」には「こだわらず、あっけらかんと無欲であれば、生命エネルギーが調和し、病気なんてどこからもやってこない」と書かれています。

しかし、こんな昔から今日まで酒を浴びるように飲む人、色欲のままに精気を消耗させ、一時の快楽をむさぼり、労働と休息に規律がなかったり、養生の道に反するから老けてしまうのです。

自然に逆らうと早死にするから、治療より予防をする必要があるわけです。

「こだわらず、あっけらかんと無欲であれば、生命エネルギーが調和し、病気なんてどこからもやってこない」のだから、病気になった時は鍼灸や漢方を少しやれば良いわけで、別に習慣にする必要はありません。

なのに、食欲、性欲、睡眠欲などの本能的な欲求から、名誉欲、財欲、承認欲求など、より複雑な欲求まで、あらゆる欲求に迷わされ、それを満たすわけです。

これらがあって身体に不調が現われているのに、鍼灸や漢方を常習的にやったからと変わるわけではありません。

ある人は私にこう言います。

「先生、人間ドックは必ずやってくださいね」。

連日連夜、外に繰り出して酒を飲み、睡眠時間を確保しない人が高級サプリメントを飲み、一時しのぎで鍼灸をおこなったところで人間ドックをおこなっても付け焼刃になってしまいます。

ですから健康でありたい方は情報に振り回されないこと。

そして他人に振り回されないこと。

わざわざ病気の宣告を受けるために受けなくても良いと思います。

こだわらず、あっけらかんと無欲であれば、生命エネルギーが調和し、病気なんてどこからもやってこないのです。

そのことを心にとめておいてください。

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