生かすということ

先日、
勝浦の海の博物館へ行った。


目的は、
海の素材を使った作品を見ることだった。


展示されていた海藻は、
どれも浜に打ち上げられたものだという。


海の中から、
切ったり、抜いたりはしない。


ただ、
そこにあったもの。


その話を聞いて、
以前の会話を思い出した。


「本当の華道は、
買って活けるものではない」


公園を整えながら、
そこに咲いた花を、
その時に活けるのだと。


真っ直ぐなものは、
ひとつもない。


曲がりや、癖を、
そのまま受け取る。


整えるのではなく、
活かす。


無理に形を変えなくても、
そこにすでに、
かたちはある。


それに触れるだけで、
十分なのかもしれない。


鍼も、
似ているところがある。


変えようとするのではなく、
その人の中にあるものに、
少し触れる。


足りないものを足すのではなく、
あるものが働くようにする。


何かを加えるというより、
何かを邪魔しないこと。


そういう関わり方も、
あるのだと思う。


強く整えなくても、
整っていくことがある。


そのままを、
そのままにしておくこと。


それもまた、
一つの方法なのかもしれない。


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