こぼれてしまうもの

人と、機械の違いは何か。


質問に答えていけば、
ある程度の判断はできる。


けれど、
それだけでは届かないものがある。


例えば、
「青魚は好きですか」という問い。


丸がついていれば、
好きだと判断される。


けれど実際には、
苦手なものが含まれているかもしれない。


過去の体験や、
身体の反応。


そういったものは、
一つの答えには収まらない。


合理的に考えれば、
大きな間違いではないのだと思う。


けれど、
そこから少しずつ、
こぼれていくものがある。


その部分に触れようとするのが、
人の仕事なのかもしれない。


ただ、
人は感情を持っている。


だからこそ、
偏ることもある。


思い込みや、
決めつけも生まれる。


その一方で、
言葉にできないものを
感じ取ることもできる。


先日、
家族を亡くした方に触れた。


何かを説明するわけではなく、
ただ、そこにいる。


それだけで、
少し落ち着くことがある。


理由は、
はっきりしない。


けれど、
そういう時間がある。


正確さだけでは、
足りないものがある。


感情だけでも、
届かないことがある。


そのあいだで、
揺れながら関わっていくこと。


それが、
人間にできることなのかもしれない。

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