風邪をひいたり、
ふとした痛みが出たり。
私たちはそのたびに、
「急に悪くなった」と思います。
けれど本当に、
それは突然起きたことなのでしょうか。
気づかないうちに、少しずつ。
無理をした日や、
眠りの浅い夜や、
食事が乱れた時間や、
そういったものが重なって、
静かに、身体の中で何かがずれていく。
はじめは、わずかな違和感。
なんとなく疲れる。
少し重たい。
いつもと違う気がする。
それでも日常は続いていくから、
その声は置いていかれてしまう。
やがて、身体は少し強く伝えてきます。
痛みや、不快感というかたちで。
それは壊れているサインというよりも、
これ以上進まないための合図のようにも思えるのです。
病気は、ただの異常ではなく、
戻ろうとする働きの中で起きている。
そんなふうに捉えると、
見え方が少し変わります。
これまでのどこかで、
自然な流れから外れていたのかもしれない。
無理をしていたのかもしれない。
気づかないふりをしていたのかもしれない。
身体は、言葉を持ちません。
けれど確かに、
ずっと前から伝え続けています。
だからこそ、
症状が出たときだけでなく、
その手前にあった小さなサインにも、
少しだけ目を向けてみる。
治すことだけを急がずに、
いま起きていることに、静かに耳を澄ます。
病気とは、
自然から外れたことを知らせるもの。
そして同時に、
そこへ戻ろうとする過程なのだと思います。

