病気とは何だろうか。
私たちはつい、
それを「悪いもの」と考える。
取り除くべきもの。
排除すべきもの。
けれど、身体の中で起きている現象は、
必ずしも無秩序ではない。
発熱も、
炎症も、
痛みも、
多くの場合、
身体が健全を取り戻そうとする
反応でもある。
生き物の細胞は、
最後まで生きようとする。
そのための仕組みを、
もともと備えている。
これを
自然治癒力と呼ぶ人もいる。
もちろん医療は大切だ。
命を救う技術は、
人類が積み重ねてきた
大きな知恵だと思う。
一方で、
「数値」だけを基準にすることには
少し違和感もある。
人の身体は、
年齢も体格も生活も違う。
それでも、
一律の基準が設けられる。
それは安全のためでもあるけれど、
同時に“個”の揺らぎを
削ぎ落としてしまうこともある。
数値を整えることと、
その人が健やかであることは、
必ずしも同じではない。
薬を使うことが
悪いわけではない。
ただ、
なぜ使うのか。
今、本当に必要なのか。
他に選択肢はないのか。
そこを考えずに
すべてを委ねてしまうと、
主体は自分の外に出てしまう。
医療にも、
教育にも、
どの世界にも構造がある。
そこには善意もあれば、
事情もある。
だからこそ必要なのは、
盲信でも否定でもなく、
考えることなのだと思う。
素晴らしい医師も
たくさんいる。
薬に頼りすぎず、
身体の力を信じている医師もいる。
どちらが正しいかという話ではない。
自分にとって
何が合うのか。
それを
選び取る姿勢の話だ。
人のすごいところは、
鵜呑みにしないことができる点だと思う。
調べて、
考えて、
比べて、
そして選ぶ。
病気を
「敵」として排除するのではなく、
身体からの
一つのメッセージとして受け取る。
そのうえで、
必要なら医療の力を借りる。
主体を
手放さないこと。
それが、
身体と付き合っていく
一つの方法なのかもしれない。

