「お母さんのお腹の中にいた時は、口を閉じてへその緒で結ばれていた」
学生の頃、恩師がそう話してくれました。
赤ちゃんは外の世界に出た瞬間、口を開けて呼吸をする。
その瞬間から、すべての経絡が動きはじめる。
そして先生はこう続けました。
「つまり、病気は“食事”をする時から始まるんです」
当時の私は、その言葉の意味を深く理解できていなかったと思います。
それまで空気という存在を知らなかった命が、
羊水の世界から外へ出て、はじめて空気に触れる。
驚き、ハッと息を吸う。
その瞬間、世界との関わりが始まる。
「口を開く」ということは、
命をつなぐ行為であり、同時に外界との接触でもある。
そんな恩師の言葉を思い出したのは、
少し前に起きた私自身の身体の変化がきっかけでした。
私は1日に1度はコーヒーを飲んでいました。
大阪から豆を取り寄せ、自分で焙煎し、冷まし、
コーヒーミルで挽き、ハンドドリップする。
その時間が好きでした。
しかし、アトピーが急激に悪化しました。
原因が分からず血液検査をすると、
ホコリ・花粉・カビのアレルギーが判明。
なかでもカビの数値が突出して高かったのです。
調べてみると、コーヒー豆にはカビ毒が付着していることがあり、
焙煎しても完全には除去できない場合があると知りました。
さらに小麦粉やスパイスでも炎症が出る。
輸入時の保管環境によってはカビが発生しやすい。
それを体が反応していたのです。
コーヒーと小麦を控えてみると、
炎症は明らかに出にくくなりました。
アレルギーがなくても、
・小麦
・砂糖
・乳製品
を控えることで、
・慢性的な疲労感
・炎症
・鼻づまりやいびき
・便秘や下痢
・睡眠の質
・抜け毛
・体臭や口臭
・感情の波
が安定することがあります。
これは腸内環境と深く関係しているでしょう。
けれど不思議なのは、
身体が不調を出しているのに、なぜそれを欲してしまうのか。
その理由の一つは「習慣」です。
幼少期から当たり前に摂取してきたもの。
それは安心や記憶とも結びついています。
あの時、オギャーと泣いた瞬間から
口を通して世界とつながる人生が始まっている。
だからこそ、
口から入れるものは命と直結しているのです。
そしてもう一つ大切なのは、心の状態。
ストレスが強いと、
身体に合わないものを欲してしまうことがあります。
食は単なる栄養ではなく、
心を満たす行為でもあるからです。
だからこそ、
注意するためには
まず心を整えること。
口から入れるものは、
命を結ぶためのもの。
本来、丁寧に扱うべきものです。
恩師の言葉を思い出しながら、
あらためて「食べる」ということを見つめ直しています。

