全身の力の抜き方
時々、
「力の抜き方が分からない」
と話される方がいます。
その言葉を聞くたびに、
私の中で思うことはひとつです。
力の抜き方を意識している時点で、
人はすでに力が入っている。
音楽を聴く。
本を読む。
携帯をいじる。
人の目を気にする。
一見、リラックスしているようで、
頭はずっと働き続けています。
考えている。
比べている。
反応している。
そうしている間、
身体は静かに緊張を溜め込んでいきます。
何かをしている時、
人は案外リラックスしていません。
力も、抜けていません。
そんな時こそ、
何もしないことを選ぶ。
すべてを手放す。
一人になる。
考えることすら、やめる。
ただ、ぼーっとする。
力を抜くには、鍼がいい
鍼をすると、
自然と力が抜けます。
それは、
無になるから。
鍼を刺されている間、
人は先のことを考えません。
役割のことも、評価も、計画もありません。
もし
「痛かったらどうしよう」
「怖い」
という思考に囚われたままなら、
無理にやらなくてもいいでしょう。
けれど、
時にはすべてを真っさらにするために、
身を預ける時間が必要だと思うのです。
施術中、
家族の中のあなたも、
地域での立場も、
組織の役割も、
社会的な肩書きも存在しません。
ここには、
あなたを評価したり、判断したりするものはありません。
立派な大人。
立派なお父さん。
立派なお母さん。
立派なご主人。
立派な妻。
そうした役割を、
すべて脱ぎ捨てる。
何もない状態こそ、本当の自分。
その区別をつけるための
時間と空間が、
人には必要なのだと思います。
鍼をすることは、大切です。
鍼をすると、
全身の力が抜け、
ゆるみ、
心地よい状態へと導かれます。
「何もしない」
その感覚を、
思い出すために。

