産婦人科に勤務する友人に縁を繋いでもらって病院での講義をおこなう機会をいただきました。
この病院は私も兄も生まれた病院であり、地元の同級生もみんなこちらでお世話になってます。
それこそ、こちらの病院へは41年ぶりに伺いました。
さて、この日の講義内容は『妊産婦さんと鍼灸について』というもの。
「妊娠中」「出産時」「産後」で鍼灸はどんな働きをするのかを説明させていただき、さらに鍼灸をおこなうことによる脳波の変化について説明しました。
そして、妊産婦の死亡原因の10%が「自殺」であるということに対して、鍼灸マッサージ師がどのように関われるのかということ資料にまとめました。
結果として【鍼灸マッサージにできること】として、「つながりの回復」「語れる安心な場所を作る」「地域と橋渡し」「継続的な居場所の提供」というとをあげています。
私は以前より【サードプレイス】について考えており、虎ノ門に作ったアトリエもこのことを目的に作りました。
「家庭」「職場」、そしてリラックスできる第3の場所は現代人において重要だと思っています。
その背景には、縄文時代には村で子育てをしており、弥生時代には家族という単位で子育てが始まるのですが、時代の変化のなかで村や家庭というものの形は大きく変わっており、これまでの形のままで子育てをするというのは機能しないからです。
核家族化、高齢出産、親の高齢化などにより、子育てが家族から夫婦間の課題になり、さらには仕事との両立などを考えると、女性だけがその負担を抱えるというのは無理があります。
先ほど記載した妊産婦の死亡原因である自殺の背景にあるものが「家庭問題」ということが分かっていますが、妊娠時期のホルモンの変化が影響するとは言え、孤独を感じる人がいることは事実です。
そういった社会のなかで鍼灸マッサージ師は何ができるのか。
単純にセロトニン、ドーパミン、オキシトシン、エンドルフィンといったホルモンが身体に変化を与えることは分かっているため、それらを増加させることで何らかの変化は生じると思うのですが、うつ状態であるから薬で対処するということではなく、鍼灸やマッサージを受けることで心身には大きな変化が生じます。
私はこれまで20年、鍼灸を深く学ぶということに取り組んできましたが、健康に携わる鍼灸師であっても、占い師であっても、お坊さんであっても死ぬことに気づきました。
当たり前のことなのですが、偉そうなことを言っても、どんなに稼いでも死ぬときには何も残せないのです。
あの世で幸せになるために今を生きるというのも違うし。
鍼や灸がないと何もできないというのも違うし。
そう考えた時に、動物として何が出来るのかを考えたら「手当て」が本能的なものだと思うようになりました。
話をして、耳を傾け、肌に触れることで心身を癒す。
それは社会が変わってもずっとできることですよね。
この時代においても、この先においても鍼灸マッサージ師は社会資源として必ず役に立つと信じています。
これから、そのことを少しづつ発信していけたらと思います。