鍼灸の回数や頻度は、どれくらいが良いのか?
「こういうのって、何回か通わなければならないんですよね?」
この質問を受けることは、決して少なくありません。
私のポリシーとして、
治療の押し売りはしたくないと思っています。
予約を強制することもありませんし、
回数券の購入を勧めることもありません。
なぜなら、
鍼灸は“必要な人が、必要なときに受けるもの”
だと考えているからです。
鍼灸の受療率は、人口の5%
どれだけ必要性を語っても、
鍼灸の受療率は昔から約5%。
この数字は、今もほとんど変わっていません。
鍼灸が好きで、この道を選びました。
だからこそ、
売上のために無理に通わせることには違和感があります。
お金を最優先に考えるのであれば、
そもそもこの仕事は選んでいないでしょう。
東洋医学に興味がある方、
鍼が好きな方、
必要だと感じた方が来てくだされば、それでいい。
私はそう思っています。
「通わせようとする」というイメージ
それでも、
「鍼灸院や整骨院は通わせようとする」
という声を聞くことがあります。
そうした目で見られやすいことは、
正直、少し悲しくもあります。
ただし、
そのような院が存在することも事実です。
鍼灸院が続かない現実
鍼灸院は、
開業してから 3年で約70%、10年で約90%が廃業します。
背景には、
技術・広告・経営のバランスの問題があります。
- 技術力は高いが、経営や広告が弱い
- 技術は乏しいが、資本力や広告で成り立っている
- 技術も経営も広告も噛み合っていない
さまざまな形がありますが、
うまくいっていない院が多いのも現実です。
それでも続ける理由。
それは、
鍼灸という独自の世界観が好きであること、
そして、
人の身体が良くなることが、純粋に嬉しいから
ではないでしょうか。
私たちが前提にしていること
私たちは、
「今より良くなる」ことを前提に鍼灸を行います。
そのため、
- 治療が必要であれば、そう伝えます
- 病院での検査が必要であれば、検査を勧めます
- 漢方が必要であれば、その旨を伝えます
そこに対するメリットは、
私たちではありません。
あなた自身のためです。
1回で良くしたい。でも…
患者さんの負担を考えれば、
できる限り1回の治療で良くしてあげたい。
しかし、
- 治す体力がない
- 症状が重い
- 加齢や筋力低下がある
こうした条件が重なると、
1回での改善が難しいこともあります。
その場合には、
- 治療の必要性
- 生活習慣
- 運動
- 漢方の併用
について、正直にお伝えします。
回数と頻度についての考え方
大きな病や慢性的な症状は、
継続的な治療が必要になります。
それが
週1回なのか、
週2回なのか、
週3回なのかは、
人によって異なります。
基本的に、
治療のペースは自由で良いと思います。
ただし、
理想的な頻度はお伝えします。
なぜなら、
回復曲線は
- 年齢
- 既往歴
- 体質
- 体調
によって大きく異なるからです。
東洋医学は、
万人に同じように効く医学ではありません。
個体差があることを理解していただけると、
より納得して受けていただけると思います。
一つの目安として
あくまで目安ですが、
- 症状が改善するまで:週2〜3回
- 効果を維持するため:間隔を空けすぎない
- 回復してきたら:週1回 → 10日 → 2週に1回
- 症状が安定したら:月1回(予防・健康目的)
生活スタイルに合わせて、
健康の維持・増進を目的にしていただければ十分です。
最後に
鍼灸を受けるとき、
治療者と「対峙」してしまうとうまくいきません。
必要なのは、
共鳴すること。
同じゴールを見て、
同じ方向へ進むこと。
それができたとき、
鍼灸は本来の力を発揮すると、
私は思っています。

