出来ることをする。

AI革命というのでしょうか。

分からないことはスマホ一台で解決してくれる時代です。

それでも今日も鍼灸院には「分からない」という人が訪れます。

病院にいっても医師が首を傾げて分からないというそうです。

これで良いからと薬を処方されて、それでも変わることがなくて。

「これで良くなるはずなのに」と首を傾げる。

そんな人をたくさん見てきました。

「それを鍼灸は治せる」という傲慢さはなくて、良くなるとしたら身体が元気になるからであって、病気は人間が生んだものだから、人間をみないと病気は変化しないのに数字をみるわけです。

私たちは生き物ですから常に変化を続けるのに。

ですから今だけを見れば良いというわけではありません。

きっと目に見えるものが正しくて、物質社会に偏っていったために、数式に当てはめて出た答えが全てだと錯覚してしまうのでしょう。

それなのに実際の社会はどうなのでしょうか。

科学が人を豊かにするわけではないことがよく分かります。

「分からないことは分からない」といった素直さや謙虚さは必要であって、分かるための努力の先に小さな光があるかもしれません。

それを端折って心の拠り所や平安を求めるために何かにすがるのですが、けれど日常のどこにでも気づきはあります。

「自分で探す」「自分で考える」「それを確かめる」「そして再度考える」といった過程がとても大切です。

東洋医学が生きた思想という言葉に当てはまるのは、そういったことなのでしょう。

私たち東洋人、日本人には、私たちにあった文化や医療があり、鍼灸はその方法として有益なものになると思います。

恩師は「能」について研究するべきであると教えてくれましたが、医師の稲葉俊郎先生も同じことを仰っていましたが、いずれ紹介できたら。

そして慧光鍼灸院 池澤肇先生の御協力により、「人を育てる」という目的のもと鍼灸の資料を翻訳していただけました。

これらは非営利であり、鍼灸を未来に残すための御協力いただけた」ことです。

学生、初学者、海外で読んでくださる皆さんにとって有益なものになれば幸いです。

鍼灸の素晴らしさを皆さんと共有でき、そのことが皆さんの周りの方々の健康に寄与できることを心から嬉しく思います。

鍼灸はとてもシンプルなもの。

けれど難しい。

だから、何らかの形で役に立ってくれたら。





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