週に何度か患者さんの家に伺っています。
背中をさすり、そして灸をしながら世間話をする時間が楽しいのです。
人生相談ではないけれど、人生の哲学について語らうわけです。
奥の部屋では高齢の奥さんの施術をおこない、子供の話しをしながら子育ての秘訣を聞きます。
4人の子育てを終え、孫との関わり合い。
そして、ひ孫が生まれて日が浅いという事もあって、携帯電話を取り出して動画や写真を見せてくれます。
築100年の家には縁側があって、小鳥のさえずりや小学生の声が聞こえてきます。
ある作家さんが「東洋思想は生きた思想」と言っていましたが、本当にそうだと思うのは、こうした日常の中に気づきが多いことにあるからなのでしょう。
ご主人との話で印象的な言葉が1つ。
「素直に、謙虚に」。
人が成長するには素直さと、謙虚さが必要だよね。
医療に携わっていると時に傲慢さが生まれてしまいます。
そして時にわからなくなる。
だから素直さと謙虚さは必要で、そして慈悲心をもつこと。
愛というと大きな意味をもってしまうけれど、そういった概念にとらわれることなく、ただ広い心であることが求められる。
そんな気がします。
「医は仁術なり」

