鍼は刺すまでが大切なことは知られていない

先日、NHKで『島渡る ピアノ調律師』という番組が放送されていました。

ピアノは弾いているうちに少しづつズレが生じます。

それを調律するわけですが、単に調律しているわけではなく習慣や習性というのでしょうか、微差を細かく見ているという印象がありました。

鍼をするうえでも同様のことがいえます。

人の皮膚というのはさまざまで、日本人と外国人では肌質や筋肉の硬さが異なります。

同じ日本人であっても生まれた場所や地域、食事などによっても異なるのです。

また鍼灸を受けるにあたって緊張していたり、気温や室温、来院時の汗や乾燥も含めて同じということもありません。

ですから鍼をおこなうという行為は「刺す」という単純作業ではなく、刺す前から始まっているということになります。

それを雑におこなってしまうと恐怖心や痛みるだけではなく、皮膚が緊張して硬くなってしまいます。

そのため鍼治療をおこなうときは「前揉法と後揉法」という方法をもちいて刺鍼部位に圧を加えながら指先で揉むのです。

そうすることで皮膚の緊張をとり、刺激に慣らしていきます。

また後揉法は抜鍼後の遺感覚を除き、小さい血管からの出血を防止または吸収を促します。

これらは何の変哲もない動作であるため気づかれないことでしょう。

しかし、、1回の鍼灸治療が成立するために様々なことがおこなわれています。

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