先日、テレビで尾上菊之助さんが八代目 尾上菊五郎の名跡を継いだという特集が組まれていました。
襲名披露公演では、共演者である人間国宝の坂東玉三郎に稽古をつけてもらうのですが、男性なのに女性の色気を感じるのは不思議なものです。
幼い頃から稽古していることと、代々続く家系というものもあるわけで、なぜか一代ではそれが難しい。
鍼灸もこうして続いていれば違ったのでしょう。
ただ、調べてみるとこう書いてありました。
〈歌舞伎が残ってきたのは、時代に合わせて変化し続け、常に観客に新しい魅力を提供してきたからです。また、歌舞伎の伝統と歴史は、世代を超えて受け継がれてきました。その結果、歌舞伎は戦後やその他の危機を乗り越え、現代にまで続いているのです〉
実際に八代目 尾上菊五郎襲名披露お練りにはZeebraが特別出演していました。
やはり、新しい風を入れることもまた必要であり、伝統と伝承と革新によって過去から未来へ繋ぐことが大切なのだと思いました。
今夏から私は訪問鍼灸マッサージをスタートさせました。これまで患者さんを待つ形での経営でしたが、自分から動く形での経営に切り替えています。
そしてプレイヤーとしてではなく、経営者として意識し始めました。
とはいえチラシを投函したり、医者やケアマネジャーへの挨拶、勉強会への参加といったものですから、何かが変わったわけではありません。
ただ、この時代のなかで生き残るにはこの選択しかないと考えています。
恩師から学んだものをただ残すということに拘り続けると生き残ることは難しい。
やってこなかったことを取り入れることは、受け入れることが難しいけれど、時代に合わせることも次の時代に継承するためには必要です。
コロナさえなければという気持ちも、世界でみれば戦争や貧困というものもあるわけで、その現実のなかで早く動き、動きながらやり方を変える柔軟性が求められるのでしょう。
病鍼連携についても、病院ではなく医者との連携であれば可能であり、地域に根づくことで文化を作ることもできますから、鍼灸師としてだけではなく医療人として社会に関わることで鍼灸師の未来が開ける気がしています。