LIGHT

先日、千葉県立美術館へ民藝展へ行った際に図録を購入してきました。

それを帰宅後に読んでいたのですが書籍の巻末にあった「MOGI Folk Art」の北村さんとテリー・エリスさんの会話が印象的だったのでご紹介させていただきます。

内容は、日本の消費者と海外からくる買い手に違いがあるということ。

日本では使いやすくて高くないものが好まれ、美しさという芸術的なことは後回しになりがちである。

一方で外国客は民藝の芸術的な側面に注目している。より表現的な手しごとの品々が好まれる。

だから、つくり手さんはどうしたらいいのかわからなくなってしまうというのです。

なぜなら作ってもお店が仕入れてくれないといけないので、売れるものを作ることに囚われてしまうと。

世間では「手しごとブーム」「民藝ブーム」と言われ、ポップで使いやすい商品が売れ筋になっているそうですが、彼らはそれらに対して皮肉を込めて「MINGEI LIGHT」と呼んでいるそうです。

この部分を読んでいて、鍼灸も大差がないと思いました。

メールを開けば『鍼灸院の売上が上がらない理由』などの情報。

私は日本がコンビニ化する要因にこのような会社のマッチポンプがあると思っています。

ホームページを作り、商材ビジネスへの誘導、そして予約フォームの設置、危機感を煽り月会費を上げためのメルマガ。

結果的にコンビニのような〇〇鍼、美容鍼だけが増え続けます。

結局のところ業界のため、社会のためという建前による鍼灸業界のLIGHT化。

日本に古くからある「もの」や「こと」は衰退をたどる一方です。

これは一次産業にも言えることであり、国や組織に振り回された結果だと思います。

強者が一時的な利益のために弱者から搾り取ることは、人々の豊かさから懸け離していくことでもあります。

もちろん歴史の中で育まれた文化も多くあるのですが、それらを失うということは産業や文化の衰退へ繋がり多大な被害を生むでしょう。

歴史は繰り返されるため仕方のないことかもしれませんが、そのことに対する危機感が本当にあります。

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