鍼灸師は何をしているのか。
そのことを今回の記事で紹介したいと思います。
とはいっても実際に施術を受けていたら見えません。
ですから〈鍼灸師が何を考えているのか〉という部分について紹介していきます。
私の場合は「電話」や「メール」からすでにスタートしています。
というのも声、話し方、メールの書き方や内容でどんな人かを想像できますよね。
また来院時の動作、目や表情の動きから精神状態を読み、顔色、姿勢、呼吸をみています。
目がうつろであったり、濁っていたり、はっきりとしているのかみます。
そして皮膚の色艶、出物をみて、匂い、触れることで肌の肌理をみて、脈や舌、お腹に触れることで全体の情報を集めています。
さらに過去の怪我や手術といった既往歴、社会歴や家族歴を確認して疾患なのか病なのか考え、発病の仕組みを分析、施術方針の決定、個人差に合わせてツボを選択、鍼や灸の操作の選択するのです。
では鍼灸はどのようにおこなっているかというと、鍼を刺している時は微細な情報を読み解き、刺入深度やスピードなどを調整して鍼を留めておく時間を決定します。
お灸は熱の入り方を観察しながら患者さんの様子や呼吸にあわせて施灸します。
このように随時、情報処理をおこないながら入力と出力を同時におこなうのです。
鍼を刺すこと、灸をすることは簡単です。
しかし、この情報処理がとても難しい。
簡単に見えるから施術料も高いと思われてしまうのですが、私はこれらの全ての情報を集めて施術をおこなっています。
鍼灸はとてもシンプルなのものですが、私は芸術性の高いものだと考えています。