劉強 編著 河南科学技術出版社
慧光鍼灸院 池澤肇 抄訳
1.下痢点(陰陵泉直下5寸、脛骨後縁から1寸のところ)
2寸の鍼で1.5寸刺鍼、瀉法。急性や実証の場合、単穴で良いが慢性や長期で虚証の場合は足三里に刺鍼して補法を行う。
置鍼30分、10分毎に針の操作を行う。
同穴は足の太陰脾経の経脈にある。臨床で偶然に発見された。明らかな止瀉作用がある。瀉法で清化湿熱、利尿止瀉。補法で健脾利湿、止瀉作用がある。
2.足三里へ針、神闕に生姜灸
まず足三里に刺鍼、補法してすぐ抜針、次に神闕に生姜灸を行う。
豆大の大きさの艾を載せて、施灸15~20分。
この方法は急性寒瀉、慢性虚寒性下痢に用いる。足三里は胃経の合穴である。
また四総穴の一つでもある。疎通経絡、調和気血、強健脾胃の作用がある。
神闕は任脈の経穴である。施灸によって、健脾温陽、和胃理腸、回陽救逆などの作用がある。
3.天枢
左右取穴、直刺で1.5寸程度、雀沢或いは捻転補瀉。お灸をしても良い。
本穴は上下腹部気機の調整の枢紐である。水谷精微消化吸収の門戸でもあるので消化系統の疾病に運用されている。
急慢性腸炎、急慢性胃炎などによる下痢に効果がある。
常時見かける病気の鍼灸治療|下痢

