初回の記事は『鍼は痛いのか?お灸は熱いのか?』という疑問について紹介したいと思います。
鍼を怖がる人にとって鍼はどういったイメージでしょうか?
やはり裁縫針や注射針をイメージしているのでしょうか?
私が使っている鍼は使い捨てのステンレス製で鍼の先端は0.16mm。
手芸針が0.5mmで予防接種の針が0.45mmですから鍼はすごく細いことが分かりますよね。
ですから、鍼は痛いのか?お灸は熱いのか?という問いに対する答えは・・・。
「痛くない」「熱くない」が回答になります。
ただし、過去に鍼灸を受けて痛かったとしたら、それは担当した鍼灸師の技量が関係します。
では上手な鍼灸師がいる鍼灸院はどのように探すのか。
話がそれてしまいますが、それは縁や運だと思います。
つまり自分に合った鍼灸院を見つけるのはとても難しい。
ですから家族や友人に紹介してもらうことが一番かもしれません。
ただし、「自宅や職場からの鍼灸院までの距離」「施術費」「好み」などの価値観は人それぞれ異なるため、1度行って合わなかったとしても合わないと思わないでください。自分にあう鍼灸院は必ずあります。
話を戻します。
みなさんが怖がる痛みですが、実際には「チクっ」とする程度です。
その理由として鍼にはシリコン加工がされているためスムーズに刺さるのです。
また鍼先は痛みが出ないように研磨されているので、裁縫針や注射針のような痛みを感じることはありません。
ただし、メーカーによってシリコン加工の有無や研磨加減は異なるため、刺された時の感じ方は個人差があるでしょう。
ですから、一概に鍼が痛いということで鍼灸治療が上手か下手かを判断することは難しいのです。
では鍼灸が上手な先生なのか?という基準をどこでみるか。
それは「鍼の刺入時の痛みの有無」「治る治らない」「お灸が熱い、熱くない」「鍼の本数が少ない、やたら多い」といったもので判断することはできません。
まずベーシックな答えとしては「経験人数と比例する」とのことで、どれくらいの年数、どれくらいの人に施術をおこなっているかを判断基準にして良いと思います。
参考:『ツボに訊け!鍼灸の底時|寄金丈嗣|ちくま新書』
ただし、「下手でも20年やればプロ」という考えがあるように、鍼灸師でも下手な横好きもいますから、こればかりは相性になってしまいます。下手でも話を聞くのが上手ければ効果が無くても気になりませんし、上手くても愛想が悪いと満足できない方もいます。
また、「目的だけを解決して欲しい」「リラックスしたい」「気を整えて欲しい」「お灸をして欲しい」「沢山刺して欲しい」「短い時間で良い」「電気をかけて欲しい」「血を抜いて欲しい」「美容鍼をして欲しい」など好みは千差万別です。
例えがあっているか自信がありませんが、家庭のカレーライスが好きな人、蕎麦屋さんのカレー丼が好きな人、町中華のカレーライスが好きな人、スパイスカレーが好きな人など好みは様々ですから、鍼や灸の刺激の加減もまた好みになります。
人の感覚は200倍違うという話を聞いた事がありますが、皮膚に鍼が触れただけでも痛がる人もいれば、刺されても分からない人もいます。
その患者さんの反応に対して合わせることもプロの技量になりますから、ただ単に痛くないという謳い文句であったり、痛いという反応に対して強引であったり、凝っているから仕方ないというような鍼灸師はよろしくないと思います。
鍼灸は痛くも熱くもありませんから、ぜひ日常に取り入れてみてはいかがでしょうか?
やらないのは勿体ないですよ。