鍼灸はどのように受けるのが正しいのか。
漢方の話を例に少し書きますが、漢方は上品(ジョウホン)、中品(チュウボン)、下品(ゲボン)の三種類に分類されます。
漢方は薬理作用は二の次で一番大事になるのが副作用があるかないか。
病気を治す力が強い薬には副作用が伴います。
これらの副作用のある薬は漢方では薬としてはレベルが低いとみなされ下品に分類されます。
上品は副作用がなく、例え作用が弱くても長期間飲んでいても副作用が起こりません。
つまり、西洋医学と東洋医学では医薬品に対する考え方が全く異なるのです。
「漢方はなかなか効果が出るまでに時間がかかるでしょ」。
そう考えてしまう理由はこういった違いがあるからということが分かります。
西洋医学のほとんどは治療効果のみを追求しているわけです。
「上品は命を養う」「中品は新陳代謝を高める」「下品は病気を治す」と考えるとそれはそうです。
だから養生しなくとも、とりあえず症状は治ります。
忙しい現代人は西洋医学の方が身近になる理由はこういったことなのです。
どうですか?
何となくわかってきましたか?
東洋医学は長期的に受けることで身体に変化を与えるもの。
西洋医学は短期的に変化を出すもの。
何が違うのかというと副作用の大きさです。
短期的に受けるべきものを長期的に受ければ害になります。
長期的に受けるべきものを短期的に受ければ益はありません。
もちろん、漢方も長期的に飲めば外になる。
それは下品の場合。
もちろん、併用でも構いません。
ただ鍼灸や漢方は効果がないのではなく、効果を出すための身体の状態ではないために有益ではないのです。
しかし、その状態でさえ効果をだす西洋薬がどれだけ身体に負担をかけるか想像がつくのではないでしょうか?
鍼灸や漢方はゆっくり効いていくものです。
即効性を求める時には西洋医学を、確実に良くしたい方は東洋医学を。
そして東洋医学を選択する方は、食事・睡眠・運動を見直せばその効果は2倍にも3倍にもなります。
鍼灸の受け方を考えるというのは、生き方を見つめ直すに近いのかもしれません。
ぜひ自分にあったものを選択してみてください。

