これまで【痛み】について紹介しましたが、今日は「心因性疼痛」についてご紹介させていだきます。
前に遠方から来院する50代女性がいました。
その方はいろいろ病院へ行き検査をしたけれど数値的にも画像的に問題が見当たらない。
けれど痛いというのです。
話しを聞いていると、大好きだった父親が突然亡くなったということで心を痛めており、本人としては体の痛みとお父様が亡くなったことに関係があるとは思ってはいませんでした。
これを心因性疼痛といいます。
それは身体疾患が存在しないのに痛みが存在する場合と、多少の身体疾患があるけれどそれだけでは説明しがたい痛みのことをさします。
解剖学的、神経学的に説明のつかない疼痛や、検査するたびに心理的影響によって場所や強さが異なる痛みの場合には、心因性疼痛が疑われます。
国際疼痛学会では、心因性疼痛を以下のように分類しています。
a.筋緊張性の痛み(緊張型頭痛など)
b.うつ病に伴う痛み
c.ヒステリー、転換性障害、心気症の痛み
d.妄想性、幻覚性の痛み
鍼灸院には様々な方が来院しており、これまで紹介した侵害受容性、神経因性、心因性による区別がない状態での訪れる方がほとんどです。
ですからご自身が抱えている問題が病気なのか病なのかを理解する必要があると思います。