自分で整える力

山口周さんの投稿を読んで、
強く共感した言葉があった。

元ハードル選手の為末大さんの話として紹介されていたものだ。

「インターハイに出る選手を育てる学校と、
オリンピックに出る選手を育てる学校は違う」

高校という短い期間で結果を出すなら、
「ああしろ、こうしろ」と細かく指示を出す方が成果は出やすい。

けれど、その方法は同時に
自分で考える力や、自分で修正する力を
奪ってしまうことがある。

目先の結果は出る。
しかし、長い目で見たときの伸びしろは小さくなる。

この話を読んだとき、
医療のことを思い出した。

痛みを取る。
数値を改善する。
早く社会復帰させる。

これはとても大切なことだ。

けれど、そのプロセスが
すべて施術者主導になると、

患者はいつの間にか
「治してもらう存在」になる。

これは、運動会で勝つための指導に
少し似ている。

一方で、別の関わり方もある。

なぜその症状が起きたのかを一緒に考える。
身体の変化に自分で気づく。
生活や思考の癖を見直す。

時間はかかる。

けれど、そこでは
「自分で整える力」が育つ。

私は、こちらを大切にしている。

もちろん、
病院や整骨院を否定したいわけではない。

目的が違うだけだ。

運動会に出るのか。
オリンピックを目指すのか。

短期間で結果を出す施術と、
長い人生を支える身体を育てる施術。

目的が違えば、
関わり方も自然と変わる。

私の仕事は、
身体を「治す」ことではなく、

その人が
自分で整えていく力に
少し伴走することなのだと思う。

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