「人を変えることはできない」
あるとき聞いたその言葉が、
ずっとどこかに残っていました。
これまで何度も、
目の前の人を
変えようとしてきたように思います。
良くなってほしい。
変わってほしい。
そう思うほどに、
気づけば必死になっている自分がいました。
そして、ふと立ち止まります。
「これは、本当に相手のためなのか」
その問いの中で、
別の感覚に気づきました。
求められたい。
認められたい。
喜ばれたい。
そういったものが、
自分の内側から生まれていたということ。
それに気づいたとき、
少しだけ、違和感のようなものが残りました。
「人を変えることはできない」
そう思いながら、
それでもなお、
どこかで変えようとしていた自分。
ずいぶんと身勝手だったのかもしれません。
これまで、
人生を変えるために、
多くのことを学んできました。
けれど、
それが誰にでも当てはまるわけではない。
やはり、
そこには「縁」があります。
変わる人は変わるし、
変わらない人は変わらない。
とてもシンプルなことです。
実際のところ、
私は何者でもありません。
それはきっと、
誰にとっても同じことなのだと思います。
有名な治療家のもとへ行くことと、
そうでないこと。
そこに、
決定的な違いがあるわけではありません。
出会うべき人には、
いずれ出会う。
ただ、
その出会いが
どれほどの意味を持つものなのか。
それに気づけるかどうかは、
その人自身に委ねられています。
だから私は、
誰にでも治療を行うことをやめました。
縁のある人とだけ、
向き合うことにしました。
人を変えることはできない。
だからこそ、
変わろうとしている人と出会うこと。
それが、
いちばん自然なかたちなのだと思っています。

