今日は、
「病気にならないためにはどうすればよいのか」
そして、
「病気を治すとは何か」について。
治療とは、何を指すのでしょうか。
教員課程の頃、
指導教官がこんな話をしてくれました。
整形外科医と鍼灸師が、
学会で腰痛治療について議論したときのこと。
整形外科医が言いました。
「鍼灸師は、腰痛治療ができない」
それに対して、鍼灸師はこう問い返します。
「レントゲンは、治療ですか?」
医師は、答えなかったそうです。
ここで大切なのは、
どちらが正しいかではありません。
“治療とは何か”という、
静かな問いが残ります。
そもそも人は、
四足歩行から二足歩行へと進化しました。
その構造の中で、
腰には常に負担がかかっています。
だから腰痛は、
「なるか、ならないか」ではなく、
“なりにくい状態を、どう保つか”
そこに視点が移ります。
では、
病気にならない身体とは、どのような状態でしょうか。
血液がきれいで、よく流れていること。
白血球が、きちんと働いていること。
リンパの流れが滞らないこと。
血管を圧迫しない、無理のない構造であること。
特別なことではありません。
水を、きちんと飲むこと。
必要なミネラルを摂ること。
適度に身体を動かすこと。
筋力を落とさないこと。
姿勢を整えること。
その積み重ねが、
身体の流れを保ちます。
流れが滞れば、
免疫の働きもまた、静かに落ちていきます。
そう考えると、
鍼灸やマッサージが、血流や自律神経に働きかけることは、
とても自然なことのように思えます。
レントゲンは、診断です。
治療ではありません。
人間ドックも同じです。
それは、
「病気を見つける」ためのもの。
「病気にならない身体をつくる」ものではありません。
もちろん、
必要な検査は大切です。
けれど、
検査そのものが健康をつくるわけではない。
その視点は、
どこかで持っておく必要があります。
もし仮に、
鍼灸でさえも“治療ではない”とするならば。
本当の治療とは、
日々の身体との向き合い方なのかもしれません。
特別な誰かに委ねるものではなく、
自分自身の中にあるもの。
病気が、また別の不調を呼ぶのであれば、
日々の健康こそが、
いちばん静かで、確かな予防であり、
いちばん本質的な治療になります。
病気にならないこと。
それは、
何か特別なことではありません。
水を飲むこと。
身体を動かすこと。
姿勢を整えること。
きちんと休むこと。
そして、
自分の身体に関心を持つこと。
その一つひとつが、
すでに、
治療なのだと思います。

