人生を80年とすると、
人はどのくらいの時間を
何に使っているのだろうか。
統計的には、
睡眠はおよそ27年。
食事に10年。
トイレに5年。
そうして残る、
自由に使える時間は約38年ほどだという。
こうして並べてみると、
人生は思っているよりも
長くはない。
だからだろうか。
人は、
時間を増やそうとする。
食事を早く済ませ、
睡眠を削り、
効率よく動こうとする。
けれど、
少し立ち止まって考えてみる。
睡眠を削ることで
体調を崩したとしたら、
そのとき失われるのは、
削った時間以上のものかもしれない。
「健康寿命」という言葉がある。
ただ長く生きるのではなく、
自分の意志で動き、
見て、聞いて、感じられる時間。
その時間がどれだけ続くか、
という考え方だ。
健康を保つ方法は、
特別なことではない。
疲れをためすぎないこと。
ストレスを放置しないこと。
そして、よく眠ること。
どれも当たり前のことだが、
当たり前のまま続けるのは、
それほど簡単ではない。
睡眠は、
人生の三分の一を占めている。
けれどそれは、
失われている時間ではない。
身体を修復し、
明日をつくる時間でもある。
時間をどう使うか。
効率を優先するのか、
回復を優先するのか。
どちらが正しいという話ではない。
ただ、
どこに時間を置くのかで、
その後の時間の質は変わっていく。
人生は、
限られた配分の中にある。
その中で何を削り、
何を残すのか。
少しだけ、
考えてみてもよいのかもしれない。

