時々、施術の話(28)|頸部痛

30代 女性 会社員
頸部の痛みを訴えての来院。

今月はじめに妊活を目的とした鍼灸整体に行ったとのこと。

そこで受けたクラッキングにより頸部を痛めてしまい整形外科へ。

当院には発生から約3週間経過してからの来院でした。

姿勢や頸部をみると脊柱の動きはあまりよくありません。

過去の運動歴は特記事項なく、社会人になってからジムに通った程度のようです。

またストレートネックが強いように思えたのですが、ここが今回の鍵になります。

なぜ施術者は、Aさんの真っすぐ連なる頚椎に対して無理な外力を加えたのか。

先日、高齢の患者さんと「自分以外の人の答えを容認しない者がいる・・・」という話をしました。

つまり、目の前に何か置いてあったとしてAさんにみてもらう。

Aさんは「四角です」と答えるのですが、Bさんは「三角です」と答えるわけです。

果たしてどちらが正しいのか。

Aさんは四角であると決め込むが、Bさんは「様々な視点でみたら四角なのかもしれない」「ほかの形かもしれない」と推測する。

施術をしていて思うことは、この推測が難しくも楽しい部分であって、患者側の言葉を何度も反芻して核心部にみつけるわけです。

しかし、決め込んでしまうと対象物が正面からしかみえません。

そのことを立体的にみるには、さまざまな視点からみる必要があります。

今回、Aさんの施術にクラッキングは本当に必要だったのか。

これは施術者にしか分からない事で、私にはその意図を知ることはできません。

けれど、答えを導くにあたって偏りが生じてしまうと見落としてしまうことも必ずでてしまいます。

だからこそ平常心をもち、寛容でありたいと思うのです。


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