時々、仕事の話(1)

今日は私の施術のあり方について書いてみたいと思います私は患者さんとの距離感を大切にしています。

貴乃花のような横綱相撲というのでしょうか。

どっしりと構え、そして寛容に受ける。

先日、面白い動画があったのですが、柔道家の先生が子どもたちに勝ち負けについて教える内容でした。

「負けてやり返すことはあってるか?」

先生が生徒に問います。

スポーツならあってるけど、柔道だとやり返すのは違うというのです。

勝てた理由があって負けた理由がある。

それをクソ、畜生と思うのは違うし、やり返そうと思うのは違うと。

負けから何を学び行動するか。そして相手がいて学ばせてもらったから相手に感謝すること。

先程、横綱相撲について書いた理由はそこにあります。病気に勝つ、患者に勝つ必要もないのです。

それまで学んできたものを試す時間でもありません。

病気はその人そのままであり、それを叩くのも否定するのも違うわけです。

目の前の人を病気としてみるのも、人だけに注目するのも違う。

相撲も柔道もスポーツではないので、勝てば良いではなく、鍼灸も治せば良いではない気がします。

つまり道からそれないこと。

だから私は、相手が話せる余白をつくる、笑わせる、落ち着かせる、考えさせる、そのことを大切にしています。

目の前の人に勝つこと、病気に勝つことばかりに意識を向けると結果として相手を否定していることになるため、しっかりとその人をみます。

そして、本人が一番わかっていることだから分からせようとはしません。

ただそれでも上手くいくことばかりではなく、柔道家の先生の言葉の通り日々勉強です。

この形で話す余白を作っていると、その人のことを引き出すことができます。

それは特別なことをしたのではなく、ただ話に耳を傾けて待つこと。

先生に分かって欲しいと思わせるのではなく、先生に言ったら変わるかも、そう思ってもらえるように心がけるのです。

すると病気がよくなるきっかけの一言が降りてきます。そのためには技術だけではなく寛容であること。そんなことが本当に大切だと思っています。

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