常時見かける病気の鍼灸治療|胃脘痛

劉強 編著 河南科学技術出版社
慧光鍼灸院 池澤肇 抄訳

1.踵腱穴(足踵腱の間凹部中央)
1.5寸の鍼で斜刺0.5~1寸、捻転瀉法を行う、置鍼5~15分
同穴は新穴であり、経外奇穴である。

2.胆兪
中指で左右同穴を指圧する、時計回りに10分間指圧。軽症者一回で良くなる。
重症者は3~4回で治癒する。

3.膻中
右手拇指で最初は軽く、次第に強く指圧すること2~5分。
同穴は足太陰脾経、足少陰腎経、手太陽小腸経、手少陽三焦経及び任脈との交会穴である。
補益中気、健脾和胃、温中止痛の作用がある。

4.小野寺点(小野寺直助氏が発見)
※腸骨稜から下方に約3㎝
一般には右側が左よりも敏感、拇指で時計回りに指圧して下肢へ響くようにする。胃痙攣の痛みは即座に取れる。

5.梁丘
左右取穴、3寸の鍼で直刺2寸、平補平瀉、痛みが取れてから置鍼30分。
同穴は足陽明胃経の郄穴である。通経活絡、理気和胃の作用がある。
現代医学では同穴に刺鍼すると胃酸分泌を抑制する、潰瘍面を癒合する
ので胃潰瘍、胃痛に効果がある。

6.公孫
左右取穴、1.5寸の鍼で針先を足心の方向に直刺して地部まで。
そこから天部まで針を引き上げること3回繰り返す、地部で雀沢する。
手で胃脘部を揉むことで疼痛が収まる。痛みが緩んできたら、左公孫は拇指を前に、右公孫は拇指を後ろに捻転する。
置鍼30分。10分毎に鍼の操作を行う。
同穴は脾の絡穴であり、足陽明胃経へ別通している。気機を整え、昇降を理し、脾胃の消化を助ける。

7.曲澤
手をしっかり握って、血管を暴露すること。片方の穴の血管にめがけて少し上に向けて刺鍼0.5寸、出血したら止まるまで。胃の痛みがまだある場合は更に片方の穴を行う。
同穴は心包経絡三焦であり、合穴でもある。“合は腑病を治す”。
同穴への刺絡によって、活血化淤、止痛の作用があり、即座に効果がでる。

8.至陽、霊台
両手拇指で双方の同穴に円を描くように指圧で揉む3~5分間、指圧している間は患者はゆっくりと深く長い呼吸をしてもらうことで効果を高める。

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