今回は「何をどう選択するか」というお話です。
皆さんは病院へ行くと医師にすべてを任せますよね。
それは国民皆保険になったことが大きな理由だと思うのですが、医療というものは人生の一部ですから実際には選択権は自分にあります。
しかし専門的なことは分からないから医師にすべてを任せます。
それがいけないということではなく、なぜ任せてしまうかというと権威性があるからでしょうか。
やはり、医師、弁護士といった士業(師業?)に対して、そのような身構え方をしてしまうのは歴史的なものが関係するのでしょう。
けど鍼灸や漢方を取り入れる場合、主体は治療(医師)ではなく自分自身です。
東洋医学は医師に全てを任せて「治す」といった受動的な方法ではありません。
東洋医学は自身が「治る」ために能動的な方法を取る必要があるのです。
「鍼灸を受けて一時的に良くなった」「効果を感じなかった」という感覚には、このような問題が実際に生じています。
治療を任せきりになっていたり、何を受けているか理解していないと結果は必ず曖昧なものになります。
「鍼灸は1回で良くなる!」と思い込む患者と誇大広告で良くなると発信する鍼灸師。
でも本当のことを言えば一時的に現象は取れます。
それは鍼灸の機序を考えれば普通のことです。
ただすぐに元に戻る。
なぜなら対症治療だから。
つまり病院と同じことをしていることになります。
そのような受け方、施術の行い方はナンセンスです。
だから病気は根気強く付き合うしかありません。
根本からよくしたいという方は地道に、自主的に受けるしかありません。
病気はこの一瞬で発生することはないんです。
例え転んで痛めたとしても、筋力低下や柔軟性の低下、反応の低下によって起きているのですから、日ごろの延長線にあることなのです。
そしてそれが早く治るのは回復能力です。
それは治療技術ではなく個人の治癒能力です。
何をどう選択するのかを考える時は、しっかりと治るための計画を立てる必要があります。
病気は生き方の見直しです。
そのことを理解し、何を選択するかが鍵になります。