今は1人になる時間が必要

昨日は友人の紹介で産婦人科の事務長さんとお会いしました。
目的は鍼灸がどのようなものなのかを体験してもらうためです。

治療院に来院していただいたのですが、向かい合って話をしても机上の空論になってしまうため、実際に受けてもらいながら鍼灸の説明をすることに。
施術をしている時は「チクッとするんですね」「お灸と鍼の感覚の違いはありませんね」などのやり取りをしていたのですが、徐々にリラックスしはじめて鍼灸に関係しない話をしたり、会話に間が生まれるようになり、緊張が解けていることがわかります。

このまどろむ感覚が鍼灸の良さの1つ。
それは体験しないとわかりません。
でも体感していただけたら鍼灸の良さに気づいてもらえるはずです。

鍼灸を受けると何となくだけれと、何となく心地よくなります。
睡眠の質が変わり、朝起きた時がいつもと違うことに気づきます。
私はこのような何となくの心地よさが広まって欲しいと思っています。優しい気分になれますし、心に余裕ができます。

人々が首都圏に住む理由の1つは利便性であり仕事をするために人は生きます。
そうすると行動範囲が家と職場だけに限定されてしまい、その場所で人生の大半を過ごすことになります。ですから息を吐けるサードプレイス(1人になる場所・時間)は必要になると思うのです。
車を走らせて鎌倉へ行ったり、九十九里へ行って自然と触れ合うのも一つですが、近所にある鍼灸マッサージ院でリフレッシュするという選択肢もありではないでしょうか。

妊婦さんにとっても家、職場、病院だけではなく、病院に併設してある施術院で自分を見つめる時間、自分をいたわる時間、お腹の子どもと繋がる環境があっても良くて。その場所として鍼灸マッサージ院は有益な存在になると信じています。

いま社会に必要なのは西洋の動的なもの、ことではなく、東洋の静的なもの、ことだと感じています。欧米ではそのことをずっと注目しているのに残念でなりません。

事務長さんが「トレンドとニーズ」という言葉を教えてくれましたが、産婦人科では無痛分娩が主流となり、これまでの方法を選択し続けている病院は経営的に厳しくなっているそうです。
人々が求めるものは、食事が美味しいこと、マッサージを受けられることなのだそうですが、鍼灸マッサージ院もこのトレンドとニーズとどのように関わるか。時代は大きな転換期を迎えており、この先に鍼灸マッサージを残し続けるには行動が必要な気がしています。

私は鍼灸マッサージの良さを信じているのですが、何がきっかけで認知され定着するのか考え続けたいと思います。
この素晴らしい文化を残すために。

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