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メニエール病
メニエール病はは、内耳における内リンパ水腫を主病態とし、主に以下の症状を三主徴とする疾患です。
- 回転性めまい発作
- 変動性難聴
- 耳鳴・耳閉感
発症機序としては、内耳のリンパ液循環障害や自律神経系の不均衡、ストレス負荷などが関与すると考えられています。
発作は数十分から数時間持続し、繰り返すうちに聴力低下が進行する場合もあります。
鍼灸的アプローチ
鍼灸ではメニエール病を「肝気鬱結」「痰濁上擾」「腎精不足」などの弁証に基づき治療を行います。特に以下の点に注目した介入が有効と考えられます。
- 自律神経調整:迷走神経系・交感神経系のバランスを整えることで、内耳血流とリンパ循環を改善。
- 頸部・肩周囲筋緊張の緩和:椎骨動脈系の血流改善を目的に施術。
- ストレス軽減と気血の流通促進:精神的緊張の緩和により再発リスクを低減。
施術部位としては、頭部(百会、風池、翳風)、頸項部、耳周囲、さらには全身調整のための太衝・内関・足三里などが選択されることが多いです。
鍼灸治療は西洋医学的治療(薬物療法・生活指導)と併用することで、再発抑制・QOLの向上・ストレス関連症状の軽減に寄与することが報告されています。
臨床的意義
鍼灸は薬物療法に抵抗性を示す慢性例や、再発を繰り返す患者に対して補完的治療として有効性が期待されています。また、自律神経機能検査や血流動態解析との併用により治療効果を客観的に評価する試みも進んでいます。
当院では、病態の理解に基づいた精密な鍼灸施術を行い、内耳循環と自律神経の調和を目指します。耳症状・めまい症状でお困りの方は是非ご相談ください。

