先日、勝浦にある『海の博物館』へ行ってきました。
目的は栗又弥江子さんの『海のアート展』を観覧するためでした。
現地で栗又さんに作品の説明をしていただいて、その後にレストランで食事をしながら様々な話をしたのですが、印象的な言葉があったのです。
栗又さんの作品で使う海藻は、どれも浜に打ちあがったもの。
海の中で海藻を切ったり、抜いたりということはおこなっていません。
前に東京にある有名な美術の専門店の方と話していた時に同じようなことを言っていました。
「本当の華道は買って活けるではない」。
その方は区から許可を得て公園の整備をしながら草木を手入れしていました。
そこに咲いた花をその時折に陶器にいけるわけです。
もちろん真直ぐ生えている花は無く、さまざまな癖をもつのですが、その曲線を生かしながら活けると。
根底にあるものが「生かす」であって、それらを自分の都合で殺すわけではないのです。
そういった感覚に対して日本人らしさを感じます。
鍼灸に強引さは必要なく、対象者がもつ生命力をたてる。
そのことに理がある。
そんなことを考えるのでした。

