時々、施術の話(6)|鼠径部の痛み

往診先での話。

60代の女性で仕事は花屋さんを経営しています。

配達の運転を終えて車から降りたところ、右腰から膝裏にかけて鋭い痛みが走ってしまい歩けなくなったそうです。

痛みを訴える場所を確認して施術をおこないましたがあまり改善されません。

これまでの付き合いで身体の状態については把握していましたが、何か思い当たることはないか質問をしたところ2023年に左鼠径部の脂肪を取ったとのこと。

その後、1週間はタイツを履いて患部を圧迫しておくように指示されたそうですが、その後からこの痛みがでるようになったと言います。

腹診により右下腹部に反応があるため瘀血処置をおこないますが変化量は大きいものではありません。

寒い場所での仕事、飲酒などを考えると即効性は期待できないため、鍼を刺してから時間を置きました。

すると痛みが消えて歩けるようになっていましたが、発症から2年が経過していますから定期的に施術をおこなう必要があると思います。

私は、鍼灸で〈根本治療〉というのは難しいと思っており、ツボを刺激しただけでは病気がなくなることはないと考えています。

もちろん一時だけ痛みが取れることで満足していただけるならそれでも良いでしょう。

ただ、それは一瞬だけ痛みが取れるだけで満足するのであれば、病院で鎮痛剤を処方されることと同じだと思うのです。

しかし、本当に良くなりたいと願うのであれば〈根本〉を考える必要があります。

それは身体のことであったり、心のことであったり、あらゆることが関わりますよね。

鍼灸はとても簡単です。

けれど本当は難しい。

なぜなら。

そんなことをまたの機会に紹介したいと思います。 


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